天変地変にかかわることは、オレにはどうしょうもネー。
災害は突然おきるようだけんど、たいがいはそおじゃあねーんだ。
人間は天災だ・厄病神のたたりだ、なんてぬかシャーがるが、そのおお元は人間がしでかしたことだ
そりゃー、どえらい騒ぎもあるが、あんなことは大神だってどうにもならねえ事じゃあねーかな。
オレのやることは、人間どもがしてはならねえことをしでかした ら大神に報告するのが主な仕事だ。
その上で、オレのやることを指示されて、人間どもに少しお灸をすえてやるていどだ。
それを、聞いてない。だの、打ち合わせにこなかったなどと、難癖をつけおって。
あげくが管轄外だの既得権侵害だとか、手続き不備だときやがる。
やつらはそれでいいかもしれねーが、現場のオレラのことは鼻っから馬鹿にして、結果が良ければ上の神の手柄で、まずけりゃ最後のシリは現場のオレラの責任にしやがる。
大きい声じゃーいえねえが、お偉方は上前ばかりはねて、都合が悪くなると秘書だの部下のせいにして知らんぷり。
だいたいこのオレに、お神酒の一杯ももってきたやつがいるか。いつも、おこぼれ程度だ。
あの水神だって、天下ってきてからまともな仕事ひとつもやってねーじゃあねえか。まっ昼間から弁天あいてに、カラオケえんかいだ。
なにが、根回しだ。なにが、ものごとを円滑に運ぶためだ。
それに、なんだあの弁天は。いったいあいつはいつから神様になったんだ？。
人間どもに受けがいいようだが、いったいあいつの仕事はなんだ？。
上位神さんの酒飲み相手か、歌い手じゃあねえか。チャラチャラしやがって。
オレがづぶ濡れになった「厄事計画書」のことを話したら
「あ--ら。おきのどくネーーーー。ホホホホホーーー。」
とオレのことをオシャラカセ(馬鹿にする)しやがって。思い出しただけでも頭にくる。
厄病神はグチをこぼさずにはいられませんでした。
そして、やけ酒の一杯もやりたかったのですが、そんな酒はありません。なにより、昼間から酒をのむなどと、とんでもないことだと思っていました。
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