厄病神が庄屋に帰ってみますと、入り口にはちょうちんがたち、村人が次々と出入
りしているではありませんか。屋敷中が明るくなり、台所では煙りがたちのぼり、お
かみさんたちが大騒ぎです。厄病神が住み着いていた奥部屋は、磨き上げられたうえ
に金屏風まで飾られています。
庄屋さんは気をとりもどし、町から婿養子を迎える日だったのでございます。
“こんな騒がしい所にいられネー”と思った厄病神は、博突で夜逃げをした与太郎の
家に移り住んだのでございます。
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