木枯らしが枯葉を吹き飛ばし、みぞれ混じりの雨が降りだしますと、冷たい雨水がポトリと福の神の背中に落ちだしたとたん、
ポタン・ポチョンポタン・ポチョン
ぽとぽと・ぼたぼたぼたぼた・・・

狭い祠の中で居座った大きな荷物。どう動かしても防げようはありません
「どどどどーしよう。どこかへ逃げてしまおうかしら。といっても、どこへ行ったらいいのか皆目見当もつかないし・・・。
だいたい、オイラのことも考えずにこんな馬鹿でかい荷物を預けていった厄病神が悪いんだ」

能天気な福の神もこのときばかりは、ただただうろうろするばかり。しまいには、フーフー息を吹きかけましたが、脳震とうをおこしてひっくりかえってしまいました。


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