小笠原家廟所  浅間御殿山

 小春日和に誘われて20数年ぶりに廟所に訪れてみた。
かって知ったる所だと思っていたが、廟所まで民家がせまり案内板がなかったら通り過ぎてしまうところであった。まじかに温泉旅館があるエリヤでありながら人の気配はなかった。 お城の石垣をおもわせる石積は時の流れに耐えきれず、侘しさがただよっていた。
 松本城の基礎を築いた小笠原多直慶と息子の秀政・忠脩。父子を祀った五輪塔は高さ一Mほどの小型のものだが、その形はバランスがよく美しい。基壇が崩れ、傾いた五輪塔はまるで寄り添っているように観えいっそう感傷的になってしまった。
 廟所はもともと立派なお堂になっていたが焼失してしまった。1685年に水野忠直は見捨てられていた廟所を嘆き、管理者であった神宮寺の住職を呼び、きつく整備・管理を命じたという。
今日再びおなじようなことが起きようとしている。蛇足ながら、玄向寺の水野家廟所はいついっても清掃が行き届いている。

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