ボンボン歌

ぼんぼんとても　　今日明日ばかり

あさってはお嫁の　しおれぐさ

しおれた草を　やぐらにのせて

下から見れば　牡丹の花

上から見れば　情けの花

牡丹の花は　　散っても咲くが

情けのお花は　今日ばかり

情けのお花　　ホイホイ

しんとはいいよ　しんとはいいよ

水茶屋だらけ　　ちょうちんだらけ

数えてみれば　　百七つ

数えてみれば　　ホイ

ぼんぼんの子供遊び　　大島義範「ぼんぼん」より
　江戸時代の「続江戸砂子」に、10歳以下3-4歳以上の子供男女打ち交りて、手に手を連ねて小提燈の美しく画をかきし、おともとし、「ぼんぼんぼんの十ｩ六日に、おーえんまァ様え参ろうとしたら、数珠の尾が切れて、はァのが切れて、なむしゃか如来手でおがむ」と無心にはばかることもなく、声張り上げて歌いつつ、道路の中央、片端の差別なく、ここかしこにうたいつつあるきたり。・・・・と書かれ、俗にこれをぼんぼんという。
同じく「守貞漫稿」には、江戸は京と同じく、手を引きあい横に一列になり、往来を行く。しかれども、京阪のごとく盛んにならず。稚児及び婢を共にする者稀にて、多くは小民の娘のみ。また多数はまれなり、八―九児に過ぎず。その辞発語必ずぼんぼんという」
　なお、京ではこの遊びを「さあのや」と読んだ。大阪では「おんごく」と称した。東海地方では「御衣祭り-おんごまつり」といい、幕末期まではさかんであった。
　元来、盆踊りは輪になって踊るものと、行列型があった。後者は少年少子が踊り手となって、老人たちが歌い手であった。提灯や鐘・太鼓を鳴らし、寺や祠・家々を回るもので、念仏踊りとも称された。江戸のぼんぼんはこれらに属し、京阪や松本の゛ぼんぼん゛とは異なる。