高美甚左衛門

 松本の文人墨客の筆頭は、書籍業を営んでいた甚左衛門さんで、天明41784生まれ。81歳で没した。・商売以外に文人墨客、特に俳人として名高かった。仕事柄、江戸に買出しに行き、歌麿や写楽を世に出した出版業者蔦屋重三郎をはじめ、当時のトップクラスの作家と知己を得ていた。特に十返舎十九と親しく、松本に招請し「続膝栗毛」の執筆に協力している。また彼の日記は当時の松本をはじめとする世相を知るのに一級の文献である。

松本はおいしい湧き水と米を産したため、早くから酒造業があった。善光寺道名所図会には、すべての酒の水は「源智の井戸」だと書かれている。そのほとんどが親町三町にあり、75軒もあった。1763年の記録によると、江戸に向けて700トンも出荷されていた。

 銘柄は、白糸・不入火・松浪・白菊・藤波の六銘柄であった。

 

 

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