サンクーロー・三九朗

小正月(現在は成人の日が多い)に行なわれる三九朗。
松本平に営々と続いてきた、子供の祭りを話さなくちゃ片手落ちズラ。

 三九朗のことだけで数々の研究書があるけれど、伝統行事をそのまま継承してきたのは、オレのこどものころまでのようだ。
 仮小屋に集まったハナッタレ小僧たち。TVはネー。ゲーム機はネー。あるのはせいぜい少年倶楽部という、漫画本くらいだった。
アカギレでヒリヒリ・ガリガリしたホッペや手足だったけんど、友達と団子になって、寒さをこらえたのは楽しかったナー。

 都会から転勤してきたワカイお母さんが、昔の人は上手いシステムを考え出したものね」と、松飾を燃やすことに妙な感心をしておられた。 
 三九朗は‘歳神゛が宿った松飾や縁起物飾りを送り出す、道祖神と関連した神事で、ごみ処理とはちがうんね。

 次いでながら縁起物の、だるまのことを話すと、昔から各地で生産され全国にあったが、一般的には関東地方を中心にした、養蚕業と関係があった民間信仰せ。 今の三九朗は、だるまが鈴なりだけんど、オレたちのころは三つもあればおおいばりで、昼夜見張りをつけたもんだ。だって、三九朗のときは、隣組やもっとはなれた集落の連中と、公認でケンカをしたもんだ。
ジッ様から、いやずっとその前から、しきたりのようなものだった。

だけんど、学校にいってまで恨みあうなんて、湿っぽくはなかったジ

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