時により過れば民のなげきなり
八大龍王雨やめたまえ 源 実朝
すざましい気魄に圧倒されてしまいました。人々が平安であることへの願いは、たとへ神である八大龍王とて屈服させんと、決死の覚悟で祈っています。時の為政者である、実朝の身体は爆発寸前のエネルギーを放っていたことでしょう。
私は禅林世界で言われる悟りの境地からほど遠所にいますが、源実朝は精神的にかなり高い境地を得たうえに、観念世界に止まらず、治世にあたったすごい人だったのではないかと思います。つまり、聖職者や世捨て人的な悟人ではなく、現実と向き合った為政者であり武士だったのです。
最後に、良寛の一首で締めくくりたいとおもいます。
捨てし身をいかにと問はばひさかたの
雨降らば降れ風吹かば吹け
一切の行為が光りとして統一される