両人対酌山花開 一杯一杯復一杯
我酔欲眠君旦去 明朝有意抱琴来

 唐 李白(701-762) 盛唐代の大詩人の漢詩のなかで<誰でもが知っていることと思います。いまさら解説なんておこがましいが、対酌といっても人でなくてもいい。おっ月様でも自分の影だっていい。むしろそのほうが趣があります。あるがまま自然の懐で、誰に気を使うのでもなく飲む。酒を飲むというより大空を、おっ月様を飲んでしまうのです。このように自己高揚させるには、まずは場所が重要なポイントとなってきます。まずは山野にキャンプをしに飛び出しましょう。できれば、オートキャンプ場ではなく、探して探して探し回ったうえ、ここで飲みたい、ここで眠りたいと感じる自分だけの場があるものです。天地から許され、与えられたような満足感を得ますと、酒の肴の良否でなく、言葉では言い表せない満腹感の旨みにひたれるものです。そこまで自己演出ができるようになりますと、いつでも、どこでもOK。狭いながらも楽しい我が家。人の目など気にせずに、ちっちゃなお庭で、畳一帖のベランダで、李白の月下獨酌の心境になれれば、酒飲みとして免許皆伝でしょう。
 ところで、酒宴のたのしみ方を進めておいてナンデスが、あまり飲みすぎて李白さんのように水に映った月をとらえんとドボーン・・・・。帰らぬ人になってはいけません。
さあ山野に行こう。流水に身をまかそう。孤高なる旅にでよう。

光明三昧・一妙一体

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