月をこそながめ馴れしか星の夜の
深きあわれを今宵知りぬる
建礼門院右京大夫
月ではなく星が詠み込まれたこの詩の作者は、平清盛の娘・建礼門院徳子に使えた女性で、夫の戦死をいたんだ追慕の詩だといいます。月をテーマにした詩が多い中で、星の詩は珍しく、作者のやさしき面影がボンヤリと浮かんできました。
ただ今は宇宙のかなたから望んだ日本の夜は、地図そのままの光源体となって輝き、月明かりですらたのしめなくなってしまいました。この詩のように星明りなど感じない方々が増えてしまいました。
そこで思い出しましたのが、砂漠や草原での月や星の明るさでした。特にヒマラヤでの経験ですが、雪や氷に照りかえった星明りはうっすらと影が出来るほどです。砂漠では足元から湧き上がる星に、星座などまったく判らなくなってしまいました。
初心・・勇猛心を起こして第一歩を踏み出してみる。
真我への苦しき旅・歓喜への始まりでも在る